2005年10月06日

『自然エネルギー市場』を読む。

★サスティナブルなミライを考える研究会 第3回

伊藤さん


遅ればせながらミライ研第3回の報告です。
この日は午前中にミライ研で飯田哲也さんの『自然エネルギー市場』を取りあげ、午後からは別会場の講演会で、飯田さん本人のお話をうかがうというスペシャルな一日でした。

研究会&講演会でわかったのは、

「自然エネルギー社会は、もうすぐそこまで来ている」
「自然エネルギーの普及を通じて、地域のデモクラシー(市民・住民参加)を進めることができる」

ということでした。
そして、「エネルギーは、私たちのあらゆる活動の基礎、いわば血液のようなものだ」ということを再認識した次第です。

西井さん


この日の課題図書、『自然エネルギー市場』から主なポイントを抜粋します。

・ドイツでは自然エネルギーによる発電量が総発電量の10%を占め、13万人の雇用、80億ユーロの経済効果、3500万トンのCO2削減効果を生み出している。
・中国でも、2010年までに自然エネルギーのシェアを10%にする目標を掲げている。
・日本は太陽光発電では世界のトップだが、今後、電力会社の余剰電力購入メニューが見直しになると一気に市場が崩壊する危険性がある。
・風力発電について。ヨーロッパでは市民自らが事業者となり組合をつくるなど市民出資による事業が普及している。デンマークでは80%以上、ドイツでも4分の3以上が市民所有である。
・日本でも、NPO法人北海道グリーンファンドをはじめ、市民風車が広がっている。市民風車をきっかけに、地域の一次産業や観光産業を巻き込んで自立的な地域社会の形成が見込める。
・岩手県ではエネルギーの地産池消をめざし、自然エネルギー、特に木質バイオマスの推進に取り組んでいる。ペレットストーブを民間企業と共同開発し、学校、保育園などへの導入を図っている。
・強度議定書の発効により、日本は2012年までに1990年比6%の温室効果ガスを削減しなくてはならない。しかし実際には、2003年時点で8%増加しているため、総計13.6%の削減が必要。
・日本での自然エネルギー市場構築に向けて、MFO(market Facilitation Organization)の活躍が期待される。MFOとは、行政、地域の関係者、住民など、さまざまなステークホルダーと協議調整して、自然エネルギーの普及を実現させる組織である。それは、政策、ビジネスモデル、ファイナンス、コミュニティの各領域を統合し、かつ、時にはNPO的に地域住民との関係を築き(非営利的側面)、一方でビジネスとしての確立、資金調達などを行う(営利的側面)。飯田市の「(有)おひさま進歩エネルギー」などがそれにあたる。

戸上さん

以上、数字を見ると、日本の自然エネルギー政策がいかに遅れたものであるかがわかります。このままでは20世紀の優等生だった日本が、21世紀には周回遅れの国になってしまうのではないか。そんな懸念が浮かんできます。

冒頭にも書きましたが、エネルギーは私たちの社会活動の全てを支える血液のようなものです。現状では、国の政策と電力会社等にお任せで、一般市民がエネルギーのありようを考える機会はほとんどないのかもしれません。しかし、エネルギーのありようを考えることは、自分達の「社会のありよう」を考えることにつながります。

そもそも、わたしたちはどんな社会をめざすのか?

自然エネルギーを考えることで見えてくるものがあるはずです。

4806713031自然エネルギー市場―新しいエネルギー社会のすがた
飯田 哲也
築地書館 2005-03

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