2005年09月27日

働きすぎの時代ー死にいたるまで働いてはいけない!

疲労蓄積度チェック.jpg


厚生労働省が2004年6月に公表した「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」。公表直後からアクセスが殺到し、一時はつながらない状態になったとか。
「過労死診断コンピュータが働きすぎでダウン!?」とは笑えない冗談ですが、それだけ過重労働が深刻化しているということですね。

2005年8月に発刊された岩波新書『働きすぎの時代』(森岡孝二著)によれば、「karoshi(過労死)」が『オックスフォード英語辞典』にも載っているとか。

社会を豊かにするための「労働=仕事」が、人々を苦しめる元凶になっている。この矛盾、一体どうすればよいのでしょうか?

以前、「豊かな国の貧しいシゴトー35歳男女『職場地獄』」というエントリーを書きました。経験した方ならわかると思いますが、慢性的な過重労働は、まさに「地獄」。決しておおげさな表現ではありません。

どう考えてもこなしきれない膨大な仕事量。毎日終電まで、いえ、ほとんど徹夜状態が何日も続き、土曜も日曜もなく、締め切りと格闘しながら、ひたすら仕事をこなすだけの日々。仕事の満足度はおろか、心はすり切れ、感情に乏しく、まるで「仕事マシーン」になったような感覚。終わりの見えないプレッシャーと苦しみは、まさに「無間地獄」です。

僕自身は4年前に、そうした働き方を“卒業”しましたが、今も多くの人が同じような経験をしているかと思うと胸が痛みます。

先に紹介した『働きすぎの時代』によれば、働きすぎが特に目立つのは、総じて「中産階級上層の大卒、ホワイトカラー層」だとか。

激しい受験戦争を勝ち抜いて、「よい大学、よい会社」に入ったものの、行き着いた先が「職場地獄」だとしたら、「一体、何のための人生か」と言いたくもなります。ひょっとしたら、都市部の大卒サラリーマン層が、「人生の質」という意味では最も貧しいのかもしれません。

しかし、事は単純ではありません。
私たちは、消費者として、こうした過重労働を助長しているかもしれないのです。

例えば宅配便。
「全国翌日配送」を実現するために、十分な休息や睡眠がとれないドライバー達が高速道路をギリギリの状態で走っています。

例えば携帯電話。
次々と発売される新機能製品は、下請けソフト会社の想像を絶する労働環境が支えていると言います。

私たちの身近にある商品やサービスの利便性が、誰かの人生の犠牲によって成り立っているとしたら…。なんとも薄ら寒い思いがします。

こうした問題を一挙に解決できる方法を提示することはできませんが、少なくとも個別の対症療法では無理だということだけは言えそうです。どうも、社会全体の基本システム、パソコンで言うところのOS(オペレーションシステム)を取り替える必要があるように思います。

無理や矛盾は必ず問題を招き、問題はさらなる無理や矛盾を招き、悪循環のサイクルに突入します。

いま、立ち止まって自分の生き方・働き方を見つめ直せる人がどれだけいるでしょうか?

『働きすぎの時代』には、早朝から深夜までの過重労働で、新聞や政見放送を見る余裕もなく、総選挙で投票しなくてはならない働き盛りのサラリーマンの実態が描かれています。
政治や地域社会に参加する機会もなく、いえ、それどころか自らの家庭に参画する余裕すら奪われて、この国はどこまでもつのでしょうか。

「大量生産・大量消費・大量廃棄」の時代。実は、私たちの「人生」も「使い捨て」なのかもしれません。

4004309638働きすぎの時代
森岡 孝二
岩波書店 2005-08

by G-Tools




posted by Toshi at 08:49| Comment(3) | TrackBack(0) | Workstyle for Sustainability | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
人生使い捨て…イターイ言葉ですね。エリートサラリーマンは働き過ぎないとダメなんだ、負けなんだと思い込んでいるような気がします。経営者はただで長時間働くことが当たり前と思い、労働者を扱っています。また私たちも便利さを求めつづけてきました。
根本問題を解決するのは難しいでしょうが、働き過ぎず、いい仕事して、ハッピーでおしゃれにかっこよく生きられるモデルを私は追求したいと思ってます。
Posted by 榊原 陽子 at 2005年09月30日 00:24
陽子さん、どもども。
「…ハッピーでおしゃれにかっこよく生きられるモデル…」、いいですねー。
陽子さんはお名前のとおり、ポジティブなエネルギーにあふれてますね。

素敵なコメントをありがとうございました!
Posted by toshi at 2005年09月30日 08:00
なんかHappyさが上から降り注いでくるような〜

「私たちは、消費者として、こうした過重労働を助長しているかもしれないのです・・・」

同感です。携帯電話の事例とか興味深いですね。頻繁なモデル・チェンジって、環境負荷も高そうだし・・・。でも新しいのが出るとついつい興味をもってしまったり。。

IT産業もフリーターの単純労働に支えられていることを教えてくれる、下記の本も衝撃的でした。ご参考までに。

アマゾン・ドット・コムの光と影―潜入ルポ
横田 増生 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4795843422/

千葉の配送センターってこうなってるんだという本です。断片的な情報かも知れませんが、まずは知ることから始めなきゃと思った次第です。ちなみにアマゾンでは買ってません。。
Posted by ラマくん倶楽部 at 2005年10月03日 19:02
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。