2006年12月08日

競争やめたら学力世界一!フィンランドのヒミツ。

競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功
福田 誠治

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知っていますか?
OECD(経済協力開発機構)が主宰する国際学力調査PISAでダントツ世界第一となったのが、北欧の小国フィンランドであることを。

さらに重要なのは、具体的な問題解決能力を測る総合読解力(読解リテラシー)において、日本は8位から14位に大きく低下していることです。

数学的リテラシーや科学的リテラシーが依然として上位にある中で、日本の子ども達の「現実を生きるための問題解決能力」が相対的に低下しているというのはゆゆしき事態ではないでしょうか。

逆に、なぜフィンランド教育はそうした面で世界をリードしているのでしょう?

フィンランドの人口は約520万人。
愛知県(約730万人)一県よりも少ないんですね(笑)。

森と湖の静かな国というイメージの一方で、世界的な携帯電話メーカー「ノキア」を有するなど、小国ながら経済的にも豊かで、生活水準も高いそうです。その原動力が教育の成果だというのですから、そのヒミツを学ばない手はありません。

フィンランド教育の特徴はいくつかありますが、特筆すべきは1980年代に習熟度別編成をやめたことです。つまり、デキる子とデキない子を分けて教えるという方式を取らず、両者が共に学ぶ「統合学級方式(異質生徒集団方式)」を採用したというのです。

その結果、デキない生徒の成績は上がり、デキる生徒の成績は変わらなかった(下がらなかった)、つまり学力格差が縮まったのです。

こうした教育方針の背後には、福祉国家として「多様な人間が共存し助け合う平等な社会が国民の合意」であるという前提が大きく作用しています。

そもそも、日本とは国家観が全く異なるということですね。

ちなみに、先ほど紹介したPISAという学力調査によると、2000年時点では、日本の低得点グループはOECD平均よりも高かったのに、2003年時点では高得点グループは平均以上、低得点グループは平均以下に大きく分裂しています。

こうした特徴を持つ国は、日本とアメリカだけ。
「格差社会」の影響はこうしたところにも表れていると言えるのではないでしょうか。

デキる子だけがますます認められて、デキない子はどんどん社会から落ちこぼれて居場所がなくなっていく。これが極端化していけば、社会に怨嗟の悪感情が渦巻き、なんだかネガティブな社会になってしまうように思うのですが…。

北欧の福祉国家を極端に美化するのも危険でしょうが、「もうひとつの日本ー『持続可能な福祉社会』」で触れたように、もう少し世界を広く見渡して、他国のよいところは取り入れつつ、日本という社会のあり方を根本的に見直す作業が必要のように思います。

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posted by Toshi at 16:11| Comment(2) | TrackBack(0) | Workstyle for Sustainability | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近、面白い本の紹介が多いですね!全て面白そうで、全部そのままアマゾンでポチッと買ってしまいそうになります、貧乏学生の身分なのに(笑)

Toshiさんのオススメでしたら、手放しで買ってみたくなりますし、着眼点、解説がユニーク☆

何冊か買って読みたいと思います。ありがとうございます!!
Posted by いっぱ at 2006年12月09日 11:57
おー、いっぱくん、お久しぶり。
読んだら感想教えてね。
Posted by toshi at 2006年12月09日 23:55
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